アライアンスとアプライアンスの違いをまとめる [Alliance, Appliance]

8.30.2019

IT 雑記 単語

t f B! P L


今回のお勉強トピックは、アライアンスアプライアンスの違いについてです。

このブログにおいて、ぼくは英語をお勉強しているイケメンボーイ(30代 ♂ 独身)の顔をしておりますが、実態はIT業界の端っこの方で大して役にも立たないであろうコンピュータシステムを開発しているエンジニアの顔で禄を食んでおります。

たまにはお仕事に関連した英語も勉強しないとねってことで、壁に頭を打ち付けながら無い頭で考え出したトピックが、「アライアンスとアプライアンスの違い」です。

以前ぼくを混乱に貶め大恥をかかせてくれたこのテーマを攻略し、ぼくと同じ失敗をする人がいなくなるようにと願いながら、一文字一文字気持ちを込めてタイピングしてまいります。

Let's get started!!!

IT業界で使われるときの意味

こういうビジネス横文字は、業界ごとに、あるいはIT業界のなかでも業種によって、意味が異なるところがあるかと思います。なので、まずはぼくがIT業界のなかでどんなところに生息しているのか、そしてその生息環境の特徴などを書いていきます。

ぼくの生息環境

IT業界のなかでSIerという業種の会社に勤めています。SIerってのはSystem Integraterの略なんですが、現代では言葉的な意味はぶっちゃけないと思います。どんなことをする業種かと言うと「企業がITで困っていること全てを飯のタネにする業種・会社」と思っていただければ問題ありません。たとえば、

「コンピュータシステムを導入したい」、「従業員が使うパソコンの管理をしたい」、「うちの会社で使うパソコンを調達してこい」、「デジタル化したい」、「いま流行りのAIとIoTをしてみたい」、「いま使ってるシステムのこんなところが不安なの」、「予算を使いきれなくて困ってる」、「頭のおかしくない平均以上のエンジニアを10人集めてこい」

すべてお任せくださいっ!

その辺をうろちょろしてるSIerの営業担当にお声がけいただければ、 骨の髄までしゃb 、懇切丁寧にお客様の課題を解決して差し上げましょう。

そういうのがSIerという業種で、ぼくの勤めている会社もこのSIerという括りに入ります。

さて、このような、言ってしまえばIT関連の何でも屋であるSIerに勤めているぼくの周辺で、タイトルにある「アライアンス」と「アプライアンス」という言葉がどのような意味を持ち、どのように使われているかをまとめます。


アライアンス

アライアンスは、企業間の提携、という意味で使われています。

ぼくの周辺でアライアンスという言葉が使われるのは、ソフトウェアやハードウェアを作っている会社と、ぼくが勤めている会社の間で提携関係を結ぶときです。

ソフトやハードを作っている会社って大会社はともかくとして、小さい会社は営業力や販売チャネルを持っていないケースが多いです。また日本進出を目論む外資系ソフトウェア会社なんかもそうですね。基本的に営業力がありません。

反対にSIerはその時代、時流に合わせたソフトウェアが欲しい(売りたい)んだけど、自前で開発すると時間がかかるし、下手こくと開発のために投資した費用を回収できない可能性があるんです。SIerにいる管理職やお偉いさんってのは基本的にサラリーマンですから、「2000万円投資して今の時代に必要なソフトを開発しよう」という決断はできません。

SIerってのは基本的に色んなお客さんに 寄生して  システムを提供しているのでそれなりに販売チャネルは持っています。でも売るものがイマイチ無い。ソフトウェア・ハードウェアの会社は売るものがあるんだけど、営業力や販売チャネル(販路)がない。

ソフト・ハードを作っている会社とSIerってのはこういった背景があるんですね。そうなるとどういう動きが発生してくるかってーと、「アライアンス(事業提携)しませんか?」という話になるんです。

もちろんアライアンスをするには、いくつかの決め事が出てくるので、契約という形をとります。その中で、ソフト・ハードを作る会社は「お宅はうちのソフトを年間で何本売ってくれるんだ」、SIerは「定価の何%引きでうちは仕入れられるんだ」といった攻防戦が繰り広げられます。

その結果、最終的に「アライアンス契約書」なるものをつくり、お互いにハンコを押して「アライアンス契約」というものが成立することになります。


アプライアンス

アプライアンスは、諸々組み込まれた装置、という意味で使われる言葉です。

基本的にコンピュータシステムを作ろうとなると、まずサーバという機械を買ってきます。そのサーバにOSをインストールします。次は目的のソフトを動かすために必要なソフトをインストールします。最後に目的を叶えてくれるソフトをインストールします。

こういうことが必要になるんですね。

でもこれって、やってみると意外と大変で、思ったようにいかないことが山のように出てくるんですよ。時間もとてもかかってしまう。

そんなわけで作られた装置がアプライアンス製品と呼ばれるものです。メーカーによって違いはありますけど、買ってきて電源繋げて、ちょっとした設定だけすれば目的を達成できる専用機器です。

ぼくの周りではアプライアンス装置とか、アプライアンス機器とかアプライアンス製品といえばこういったものになります。買ってきて繋げてチョロチョロ設定いれれば使えるもの。

アプライアンス製品のいいところはシステム構築が楽なところです。買ってくる。必要なケーブルを接続する。電源入れる。設定する。おわり。ってなところですね。故にシステム開発にかかる期間が短くなります。システム開発の一部をゴッソリ外部調達して、金で解決するようなイメージですね。

アプライアンス製品の悪いところは、汎用性が無いところですね。アプライアンスってのは専用装置なので、後から「あのサーバにこんな仕事をさせたい」と思っても実現するのが極めて難しいです。

こういう特徴のある専用機器のことをアプライアンスと呼びます。


アライアンスとアプライアンスの英語的な意味

前項のように、ぼくの周りで使われているアライアンスとアプライアンスという単語。元の英語はどのような意味を持つ言葉なんでしょうか。

アライアンスの意味


NOTE:alliance [əlάɪəns] 名詞
お互いの利益のための同盟、提携、連合、
またこれらの関係、関係を結ぶこと
婚姻関係、縁組
Merriam-Webster
: the state of being allied : the action of allying
: a bond or connection between families, states, parties, or individuals
: an association to further the common interests of the members
Cambridge
a group of countries, political parties, or people who have agreed to work together because of shared interests or aims:
an agreement to work with someone else to try to achieve the same thing:

こちらは動詞allyが名詞化した単語ですね。allyは「同盟を結ぶ」という意味なので、allianceはそのまま「同盟」という意味になります。

気になるのは、赤字で書いたところです。Merriam-Websterは、「家族、州、政党、個人の繋がり」と書いているし、Cambridge Dictionaryは「国、政党、人々のグループ」と表現しています。

”company”が入っていないんですよね。もちろん個人、人々という枠の中に企業が入っているのかもしれないですが、両辞書ともに明記されていないのはちょっと気になります。

19/8/28のニュースですが、トヨタ社とスズキ社の提携(ニュース的には株の持ち合い)は以下のタイトルで日経が報じています。

In Toyota and Suzuki alliance, two families find common ground

やっぱallianceなのか...


アプライアンスの意味

続いてアプライアンスの意味です。
NOTE:appliance [əplάɪəns] 名詞
(特に家庭用の)電化製品、電気器具、装置
Merriam-Webster
: a piece of equipment for adapting a tool or machine to a special purpose
: an instrument or device designed for a particular use or function
specifically : a household or office device (such as a stove, fan, or refrigerator) operated by gas or electric current
:computing : INFORMATION APPLIANCE
Cambridge
a device, machine, or piece of equipment, especially an electrical one that is used in the house, such as a cooker or washing machine:

大元の意味は、家庭用の電化製品や、家にあるような電気機器を指す言葉のようですね。ストーブとか扇風機とか冷蔵庫とか調理器具とか食器洗い機とか。

Merriam-Websterによると、コンピュータ関係の意味で情報装置という意味があるようです。

具体的にどっかの企業がApplianceという言葉を使っているかな、と調べてみるとCisco Systems社(ネットワーク装置を作ってる超ウルトラ有名な会社)がSecurity ApplianceとかVirtual Applianceとかって言葉を使っていました。

天下のシスコが言ってるってことは、英語的にも、「アプライアンス=IT関係の装置」って意味が通じそうですね。



と、ここまで調べてきましたが、まったく意味が違う言葉なので、一度慣れてしまえばもう間違いようがありません。注意したほうがいいのは、これらの言葉を一切使っていない人達がいきなり、〇〇社のアプライアンス製品のアライアンス契約を結ぶ、という話になったときです。

マジで混乱します。というか、しました。

おわり

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アラサー(ティーファイブ)、♂ IT業界でショッカーみたいな立ち位置の仕事をしています。昔から憧れていたバイリンギャルを目指し、英語の勉強に明け暮れる毎日。このブログは勉強ログとして書いています。よろぴく。

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