
今回のお勉強トピックは、ビジネス用語『でかこーん』についてです。
一見すると、お菓子かアイスかという名前のこの用語、実はけっこうちゃんとしたビジネス用語です。2019年9月13日のニュースでぼくは初めて目にしました。初めて目にした瞬間にぼくが感じたのは「だっさw」という感想でした。
ユニコーン企業のなかでもデカイ企業のことを「デカコーン」って言ってんだろ、と思ったんですが、これはキチンとした外国語由来の単語だったんです。これにちょっと驚きまして、周辺知識の整理も兼ねてまとめてみようと思ったわけでございます。
それでは、Let's get started!!!
ニュース記事
まずはぼくがみたニュース記事の紹介から。19/09/13 日経新聞のニュースです。記事のダイジェスト
- 東南アジアのスタートアップ企業への資金流入が拡大し日本の4倍規模に成長
- Googleなどによると東南アのデジタル経済は25年に18年比3.3倍になる見通し
- 域内には企業価値10億ドルを超える未上場企業「ユニコーン」のさらに10倍の「デカコーン」企業が2社ある。グラブとゴジェックという配車サービスの会社。
- アジア向けの投資が中国から東南アジアに移行する傾向がみられる
ぼくの解釈でざっくり言うと、投資マネーが中国から東南アジアに移っているので激アツです。ユニコーンの10倍すごいデカコーンも現れてえらいことになってるぞ。という内容です。
この記事で出てきた「デカコーン」という単語に対してぼくは「だっさw」と思ったわけです。最初はデカいユニコーン企業という意味かと思ったので「これだからマスコミは。やれやれだぜ。」と感じたんですが、そういう意味ではありませんでした。
デカコーン
デカコーンの意味を説明する前に、まずはベースのユニコーンからみていきましょう。ユニコーン企業とは
”ユニコーン企業”という言葉は最近普通のニュースでも見かけるようになったので、知っている人も多いでしょう。条件は以下の3つ(+1)といわれています。- 評価額10億ドル以上
- 設立10年以内
- 非上場企業
- テクノロジー系企業であること(必須ではない)
設立10年を超えたり、上場したりすると、晴れてユニコーンは卒業となります。まぁユニコーンってのはイケイケゴーゴーで急成長した会社をあらわす区分みたいなもんですから、ユニコーンでなくなったからといって急に何がどうなるってこともないと思います。
CB Insightsという情報サービスのWebサイトによると、2019年1月現在で300社超のユニコーン企業があるそうです。(CBInsights)
デカコーン企業とは
冒頭述べたように、一見するとお菓子の商品名のようなこの単語、ユニコーン企業の上位互換モデルとなります。完全に余談ですが、本稿執筆時点で「でかこーん」という商標登録はなさそうだったので、グリコさんは急ぎ商標登録することをオススメいたします。
何度も書きましたが、デカいユニコーン企業ではありません。
科学技術の世界で使われるSI単位という、「みんなでこの単位を使おうよ」と決められた単位があります。長さはメートルでとか、質量はキログラムでとか、そういうのが規定されている単位群の総称です。そのSI単位のなかで、「10の何乗はこうやって表現しようぜ」と決められている接頭語があります。
そこでは10の1乗、つまり10倍のことを ”deca” と表現します。この ”deca” がデカコーンの由来となっています。
ユニコーン企業の定義において、評価額10億ドル以上という項目があります。この項目が”deca”倍、つまり評価額100億ドル以上の企業を”deca”な”unicorn”、くっつけて"decacorn" (デカコーン)と呼ぶようになったようです。
ちなみに10の2乗倍(=100倍)は”hecto”(ヘクト)といいます。そしてユニコーン企業の "hecto"倍、つまり1000億ドル以上の評価額の企業は”hecto”な"unicorn"、くっつけて”hectocorn”(ヘクトコーン)と呼ばれます。
ユニコーン企業・デカコーン企業
上でもリンクを貼っているCB InsightsというWebサイト(スタートアップ関連の情報提供サービス)でユニコーン企業のリストが掲載されていました。19年9月現在で評価額100億ドルを超えるデカコーンは21社がリストアップされています。
ぼくの知ってる範囲だと、
- Tiktokを運営するBytedance社
- 上場間近だけどストップがかかったWeWork社
- 民泊で物議をかもしたエアビー社
- イーロンマスクでお馴染みのSpaceX社
- セブ島留学中に大変お世話になったGrab社
- 何か聞いたことのあるDJI社(民生用ドローンを作っている会社でした)
まさにいま世界を席巻している会社なのに、意外と知らない会社が多いもんで、勉強不足を痛感いたしました。情けない。
上記のぼくが知っている6社だけをみても、ちょっと特徴が垣間見えて面白いなと感じました。ぜんぶすげぇ会社だってのは反論の余地がないわけですが、みんな何かしら不安要素を抱えている会社のように見えます。
Bytedanceはこれから先何をしてくれるのかが見えづらい、WeWorkは景気の影響を受けやすいというネガティブな評がある、エアビーは盗撮とか傷害といった事件とも関連しやすい、SpaceXは事故ったら大惨事、Grabも白タク関連や雇用についての法律問題を抱えてる、DJIは兵器転用の可能性が付きまとう。
ぼくが知ってる範囲でこんな感じ。不安もあるけどすんごい可能性もある、そういう会社群なんだなぁという感想です。
SI単位 deca
最後は、”deca”だとか”hecto”だとかと書いた、SI単位のことをまとめます。デカとかヘクトと言うと、聞き馴染みのない方も多いと思います。ぼくは理系の大学を出てIT企業に入った身なんですが、この単位(正確には接頭語)知りませんでした。いやはやお恥ずかしい。
この単位ですね、キロとかメガとかギガの兄弟分の単位なんです。「ギガが足りない」でお馴染みのあの”ギガ”です。
デカ :10の1乗 =10(十)
ヘクト:10の2乗 =100(百)
キロ :10の3乗 =1,000(千)
メガ :10の6乗 =1,000,000(百万)
ギガ :10の9乗 =1,000,000,000(十億)
テラ :10の12乗 =1,000,000,000,000(一兆)
詳しくはWikipediaにきれいな表があったので、そちらを参照されたし。
リンク:Wikipedia デカ
おわり
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