"yield"の意味と使い方【生み出す・圧力に屈する・ひん曲がる】

9.11.2019

単語

t f B! P L

今回のお勉強トピックは、英単語 yield の意味と使い方です。

この単語けっこう苦手な人いるんじゃないですか。ぼくはこの単語にたいへんな苦手意識を持っています。そこそこ目にするわりに、ちゃんと意味がわかってない。調べても忘れる、そんな単語でございます。

ぼくのようなハイレベル社畜はつねに(役に立つわけでもないのに)世のニュースに目を光らせております。経済のニュースを見ていると、”順イールド・逆イールド”とか”イールドカーブ”とかそんな用語が出てきます。

また一部のプログラミング言語のなかにはyieldという命令文が存在します。ぼくがたまに使うPythonという言語で、yieldという命令文は「一旦処理を止めてその時点の処理結果を使う」といった意味を持っています。

でもでもですね、経済用語としてのイールドにしてもPythonのイールドにしても、すぐにそれが何だったかスッポリ頭の中から消え去ってしまうんです。実際にぼく自身が使ってない言葉なわけだから、すぐに忘れてしまうってのは当然ではあるんですが。

つーわけで、今回はyieldが記憶に定着するよう、素材本来の味を楽しみながらお勉強してまいります。

Let's get started!!!

語源の海へダイビング

とりま、「いーるど」と聞いても単語のイメージがわかないので、語源を調べて単語の漠然としたイメージを掴みにいきましょう。
NOTE:yieldの語源
Old Englishの"gield"に由来
意味は"payment, sum of money; service, offering, worship"
支払い、お金の量、奉仕・奉納、礼拝
15世紀には農作物の生産、投資家らの収益という意味が加わった

で、でたーっ!Old English(OE)由来の単語やんかっ!!!

Old Englishってのは、かつてエゲレスで使われていた英語のことです。英単語は大きく分けて、このOE系にルーツを持つ単語と、ラテン語をルーツに持つ単語があるそうです。以前読んだ本に書いてあって↓の感想文を書きました。OE系、ラテン語系の特徴をまとめた部分を再掲します。

『挫折なしで英会話ができる「英語耳」9つの法則』を読んで
OE系単語(have,get,give,make,take,doなど)の特徴
  •  一つの単語が持つ意味がすごく多い
  • 接頭辞や語根など意味を推測させる部分がスペルにない
  • get-got-gottenなど不規則な変化をすることが多い

ラテン語系単語(appint,reserve,restore,installなど)の特徴
  • 日本語訳とほぼ1対1の意味を持つ
  • 接頭辞と語根の組み合わせになるので、単語のイメージを連想しやすい

OE系の単語は英語学習においてとても重要なところってのは理解したんですが、やっぱし苦手です。意味がいっぱいあるし、語幹からのイメージもできないし。

語源をみてみると、主な意味は2つ(ほっ)。1つは「お金系」の意味、もう1つは「あげる系」となっています。どうも15世紀くらいから「お金系」の意味は、投資や投資からの収益を表すようになったそう。推測ですが、「投資=お金からお金を生み出す」が転じて、「(作物や製品を)生み出す」という意味に変わったっぽいです。「あげる系」は、くれくれと言われて仕方なく譲るとか、もう好きにしてと圧力に屈して流れに身をゆだねる、みたいな意味合いになったようです。

yieldの意味

語源として「お金系」と「あげる系」の2つの意味がわかったところで、現代英語のyieldがどのような意味を持つ単語か調べていきましょう。

英和で引いたyield

まずは英和辞典で引いたyieldの意味からです。
NOTE:yield [jíːld] 動詞、名詞
<他動詞>
(農産物や製品、結果を)生みだす
(誰かの圧力を受け)明け渡す、譲渡する、(圧力に)身をゆだねる
(権利・地位を)与える、許す
<自動詞>
作物ができる(通例、程度をあらわす副詞を伴う)
屈する、降伏する、(相手に)従う
(外部からの圧力を受けて)たわむ、動く、曲がる、へこむ、開く
 →圧力を受けて形状・状態が変化することをあらわす
(順番や道を)譲る
<名詞>
産出、産出量、収穫、収穫量
報酬、配当金、金融取引の利益

語源を調べていたときに出てきた通り、何かを生み出す、何かをあげる、というのがメインの意味になっています。

「生み出す」方は農作物だったり、製品だったり、結果だったり、割と何でもありみたいですね。

「あげる」方は、権利や地位を与える、という意味に繋がっています。ただこれらの意味を見ていると、”何をあげるかというより、”どういう状況であげるか”の方が強調されている印象です。”外部圧力がかかった結果”として明け渡すという状況説明が強い感じです。ほら、自動詞に圧力がかかってたわむって意味があるじゃないですか。だから主眼は圧力がかけられた状況の方にあるのではと思いました。


英英辞典で引いたyield

続いて、英英辞典で引いたyieldです。まずはTHE権威の異名を持つOxford。
NOTE:Oxfordで引いたyield (リンク)
<他動詞>
Produce or provide (a natural, agricultural, or industrial product)
Produce or generate (a result, gain, or financial return)
Relinquish possession of. (relinquish:放棄する)
Concede (a point of dispute) (concede:認める)
<自動詞>
Give way to arguments, demands, or pressure.
Give right of way to other traffic.
(of a mass or structure) give way under force or pressure.
<名詞>
An amount produced of an agricultural or industrial product.
A financial return.

他動詞の意味は英和で引いた意味とほぼ同じですね。「生み出す」という言葉が”Produce”という単語で表現されています。英和で出てきた明け渡すの意味は ”Relinquish possession”というフレーズで表現されています。

自動詞のところで、"Give way"は道を譲るという意味になるでしょうか。誰かの意見やらを認めるという意味合いになっているっぽいです。これも英和で引いた意味と概ね一致してますね。Oxfordによると自動詞の意味の中で、Produceするという意味がないので、その点は英和で引いたのと違うところです。

名詞は英和で調べたのとほぼほぼ同じ。


次はアメリカ英語の辞書からMerriam-Webster。この辞書は説明に使う単語に制限がないので、基本的に容赦ないです。なので、Merriam-Websterの学習者向けの辞書で引いてみました。

NOTE:Merriam-Webster Learners (リンク)
<他動詞>
to produce or provide (something, such as a plant or crop)
to produce (something) as a result of time, effort, or work
to produce (a profit, an amount of money, etc.)
to allow (something) to be taken or controlled by another person, group, etc.
<自動詞>
to agree to do or accept something that you have been resisting
to stop trying to resist or oppose something
to bend, stretch, or break because of physical force or pressure
<他動詞・自動詞どっちとしても使える>
to give (someone) the chance to speak at a public meeting — + to
to allow another car or person to go ahead of you or in front of you(米英語)
<名詞>
the amount of something that is produced by a plant, farm, etc.
the profit made from an investment

他動詞はこちらも”Produce”が使われて説明されてます。「明け渡す」の方の意味は、allowとcontrolを使って表現してますね。他の人たちにコントロールされることを許す、と。

自動詞はresist(抵抗)していることをacceptする、という表現で屈するという表現になっています。たわむとか曲がるという意味は”to bend”の説明のところに書いてあります。こちらも生産するという意味は自動詞の中に含まれていないようです。

名詞は英和で引いたのと同じ。


まとめ

最後にさくっと意味をまとめます。

意味は大きく2つ。
  1. 何かを生み出す(農産物・製品・結果・投資のリターンなど)
  2. (外部圧力がかかった結果として)明け渡す、譲渡する、屈する、ひん曲がる


ぼく的には2の方の意味が調べていて面白かったです。心理的な圧力によって心が折れる様と、物理的な圧力によってモノが折れる・曲がる様を同じ単語で表現できるところです。

日本語でも「曲がる(曲げる)、折れる」という表現を、心理的圧力・物理的圧力がかかった結果として使いますけど、英語も同じなんですね。こういうのを発見すると、どっちもヒトが作り出したツールなんだなぁ、とあらためて感じます。


Pythonで使うyieldはどっちの意味合いを持つんでしょうか。冒頭述べたように「一旦処理を止めてその時点の処理結果を使う」という意味を持つ命令文です。

yieldが実行される場所で、その時点で持っている処理結果を出力する(生み出す)という意味か、ここで止まって待ってろという圧力をかけるという意味か、はたまた処理の実行順をひん曲げるという意味なのか・・・うーん、降参。


おわり

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アラサー(ティーファイブ)、♂ IT業界でショッカーみたいな立ち位置の仕事をしています。昔から憧れていたバイリンギャルを目指し、英語の勉強に明け暮れる毎日。このブログは勉強ログとして書いています。よろぴく。

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